高低差のある土地で家を建てるときの注意点とは?
高低差のある土地とは、坂の途中など傾斜のある土地やがけ地などを指します。たまに高低差のある土地がありますが、「山が多い」など地域によっては、平地の方が少ない場合もあるでしょう。この記事では、高低差のある土地で家を建てるときの注意点について、解説します。高低差のある土地で家を建てることを検討中の方は、参考にしてください。
土地は安いが建築費用が高くなりがち
高低差のある土地の特徴に、「土地が安い」というものがあります。しかし、それは建築費用が高くなりがちなので、土地費用を抑えているという側面もあるのです。
建築費用が高いからこそ、土地が安い?
残念ながら、高低差のある土地では建設費用が高くなりがちです。なぜなら、高低差のある土地で平らな家を造るために、平地ではやらない工事が発生する可能性が高いからです。また、建築工事では材料や重機を搬入する作業もありますが、高低差があることで難しい場合は材料や重機を吊り上げる費用も発生します。
「高低差があること」による工事が発生
平地と違い、高低差のある土地では以下の工事が発生する可能性があります。平らな家や駐車場を作るための余分な土を処分する工事、給排水の配管を長く伸ばすための配管延長工事、給排水管を上げるために必要なポンプ取り付け工事などです。当然ですが、これらは平地で発生することはなく、高低差がある土地ならではの工事となります。
バリアフリー化した家も建てられない?
建築費用とは別に、高低差のある土地ではバリアフリー化した家も建てられない可能性があります。建築会社によっては「高低差のある土地を扱った経験があまりない」ということもあるため、利用できる会社の幅が狭くなったり、高齢者に配慮した住まいが建てられなくなってしまったりすることもあり得るのです。
高低差を利用して快適な住まいを建てられる?
では、建築費が高くなってしまっても、それでも高低差のある土地に注文住宅を建てるメリットは何かあるのでしょうか?ここでは高低差のある土地を利用した快適な住まいづくりについて、まとめています。
高低差のある土地の活かし方
高低差のある土地では、設計のやり方によっては道路から家の中が見られにくいため、プライバシーを確保できます。また、地形を利用することで独特なデザインの住まいを実現できるため、おしゃれな家が欲しい方に向いているといえるでしょう。
道路よりも土地が高い場合は?
バリアフリー面に配慮した住まいづくりが可能です。たとえば物置や駐車場を道路に近い高さに造ることで、そこからスロープを這わせて部屋の中に入れるようにしたり、家庭用エレベーターを取り付けたりすることができます。また、敷地の奥に玄関を設置して、居住スペースまでスロープや緩やかな階段を設置するのもよいでしょう。
道路よりも土地が低い場合は?
プライバシーに配慮した家づくりが可能です。まず、リビングなど日光を必要とする部屋を、道路に面した2階部分に造ります。そして、浴室や寝室など他人から覗かれたくない部屋を1階に造ることで、外から見られてしまう心配がありません。
がけ地には注意!
高低差のある土地のなかには、がけ地と呼ばれる物件もあります。もし、家づくりする土地を探した際、たまたま見つかった土地ががけ地だった場合は、注意が必要です。
そもそも「がけ地」とはどんな場所?
自治体によって定義が異なりますが、「がけ地」というのは水平面に対し30度以上の角度がある擁壁やがけ、そして斜面を持つ土地を指します。なお、がけ地は一般的な用途では利用が困難なため、評価額は土地の中でがけ地を占める割合に応じて変動します。
数百万円もの工事が発生することも!
2m以上の擁壁またはがけがある土地だと、行政の指定により擁壁工事や建物が崩れないようにするための工事を要求される可能性があるようです。そして工事の種類にもよりますが、場合によっては数百万円もの費用が発生することもあるのです。なお、擁壁工事とは土が崩れないようにするための工事となります。
がけ地かどうか、調べたいのなら…
家を建てる目星をつけた土地に高低差があり「もしかしたら、がけ地なのではないか?」と思ったとき、調べるには以下3つの方法があります。
まず、1つ目は自治体で確認することです。建築主事がいる建築指導課を訪ねれば、そこで教えてもらうことができます。
2つ目がインターネットで確認が可能です。オンラインで土地情報が開示されている場合があるので、窓口へ行く前に調べてみましょう。最後に、販売している不動産会社へ直接確認することです。また、「がけ条例(建築基準条例)」も合わせて確認することが大切です。
高低差のある土地で家を建てるときの注意点について、いくつか解説しました。高低差のある土地は土地価格が安いことから人気もありますが、高低差のある土地だからこそ必要な工事をともなう可能性があります。そのため建築費が高くつくリスクがあり、慎重な判断が求められるでしょう。しかし地形を活かした住まいづくりもできるため、平地と高低差のある土地どちらがよいかは、最終的には好みで選ぶのも方法の1つです。